第3章

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雛嘩-スウカ-は、彼女の名前が出ると俯いた。だが、それに気付かず柊嵐-シュウラン-が毒を吐き、雛嘩の心配を増大させている。 翠煉は情報収集をするためだったのだが、皆がいる朝食の席で聞くべきではなかったと今更ながら思う。 「雛嘩」 俯いている彼女と目を合わせる。 「どんなことがあったとしても、私は貴女達をありのままの姿で受け入れるわ」 酷く安心させるような声音だった。 雛嘩はその言葉に目線を合わせたまま固まってしまった。慈愛の微笑みが翠煉の表情-カオ-には滲んでいた。
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