第3章

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そしてもう一人、彼らを温かい眼差しで眺めている者がいた。 鴻吹-コウスイ-初代皇帝に仕えた家の現当主、洛烽淵-ラクホウエン-である。 烽淵は彼らよりも年上で、龍秀の右腕と言っても良いほどの人物である。前皇帝にも短い間だったが仕え、王位争いの時には龍秀の教育係だった。 璃奏は苛立っていてまだ気がついてないようだが、龍秀が一つのことに頭を悩ませていることは珍しい。 長年教育係をやってきた烽淵でさえも初めて見るような気がするのだから。 「何をお考えなのですか?」 烽淵は未だ何かを考えている自分の主である龍秀に尋ねる。
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