69人が本棚に入れています
本棚に追加
彼の言葉に龍秀は顔を上げる。
「芳翠煉って女官知ってるか?」
その疑問に反応したのは烽淵ではなく、今まで苛立っていた璃奏である。ピクリと固まり、外部に漏れ出ていた苛立ちを一瞬で消す。
「・・・・・・そいつがどうした?」
自分でも低い声だと思いながら、璃奏は慎重に聞く。
翠煉を綾杜に探らせようとして、失敗していることは記憶に新しい。そう、綾杜の上司は璃奏のことである。
女官長に用事があり犀下宮へ行ったあの日、翠煉にあった。あの時は名前を聞かずに帰してしまったのだが、綾杜に命じて探させ、監視するように言ったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!