第3章

34/34
前へ
/129ページ
次へ
「あまり彼女とは関わらないよう、お願いいたします。確信が持てない以上、敵ではないとは言い切れませんので」 「分かっている」 そう言って龍秀は執務室から出ていった。 龍秀が出ていくまで、その場の空気は凍ったようだった。一瞬にして空気を変えることができる者はあまりいない。 龍秀がいなくなった部屋で、烽淵は彼の皇帝としての素質を確信すると同時に、それは頭痛の原因となるのだった。 彼がもし翠煉に惚れ、彼女が国を傾けるようなことをする様な女性(ヒト)だったら、と。
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加