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「先輩、サッカー馬鹿で恋もしたことないんですか?」
八乙女の言葉にはっとした。
"恋"なんてしたことないかも。
この高鳴りは"恋"なのか。
「俺が八乙女に、お前に恋してんのか?」
「そうみたいですね、…俺を見ると苦しいんだろ?」
そうだ、苦しいんだ。
八乙女を見ると苦しいんだ。
「苦しい、なんでお前そんなに冷静なの?」
「俺、ほっとしたから」
俺も恋してるんだ、という八乙女。
そっか、じゃあ俺だめだ。
八乙女も俺から離れていく。
すると、八乙女に握られていた手が更に強く握られた。
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