第四章

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ひかるは俺より一年遅く生まれた。 なのに大人。 神様は不公平だ。 俺が勝るとこなんかない、今の俺にはなにもない。 考えれば考えるほど俺はひかるの側にいていいものなのか、ひかるの人生が変わっちゃうんじゃないかと嫌なことが浮かぶ。 意外と俺ってネガティブなんだな。 無意識にため息が漏れる。 それを心配したのかひかるは何も言わずに肩を抱いて軽く叩いて落ち着かせてくれる。 優しいね、 「ひかる、ありがとう」 少したって落ち着いた、ひかるの温もりに安心したからなのか。 ひかるは顔色一つ変えず優しく微笑んだ。 「ゆっくりしてて、晩ご飯つくるから」 ぱっと立ち上がれば部屋のタンスを開けエプロンを付けキッチンに向かっていった。
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