第五章

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トントントントン… 独特のリズムで早々と作り上げた料理は一人暮らしのいつもの生活とは全く異なり気づかぬうちに少し豪華になっていた。 ほんとは今胸が高鳴りこんなことをやっていられる状態じゃない。 でも愛しの先輩がお腹すいちゃうからね、今頑張って手料理を作ってるわけです。 「ひかるまだ?」 ほらね、先輩慣れちゃったからただっ子になってます。 「待って、もうすぐ出来ますよ」 それから数分後完成した料理を机に並べた。 俺にしては上出来だな。 喜んでくれると良いな。 そう思いながら先輩を机まで招いて椅子に座らせた。 「お、美味そう」 俺が作ったパスタとサラダを見てそう言ったと思ったら、突然顔の色を変えた先輩。 「どうしたんですか?」 「トマトいらない」 そう言ってフォークを刺し俺の皿に移す。 トマトが嫌いなんて可愛い、 可愛くていじめたくなっちゃうな。 ニヤリと笑う俺。
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