第二章

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俺は黙ったまま中に入る。 もちろん、八乙女に興味があるわけじゃない。 きっと、さっき聞いた音に心を奪われたからだ。 「先輩なんで今更ここに?」 えっ? 今更って、俺今日初めてあの音を聞いたはず。 「俺、毎日弾いてたんだけど」 「嘘だ、俺は今日初めて聞いたんだ」 「やっぱり、サッカー馬鹿だから聞いてなかったんだろ?」 そうかも。 今まで周りの音なんか何も気いてなかったかも知れない。 「先輩、サッカー以外なにも知らないんだね」 音楽室の広いまどを見つめながらいった。 そうなのかな。 勉強もなにもかも、わからないことばっかなのかも。
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