第二章

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「…八乙女、俺に教えろ。全部」 「任せろよ。何でも教えてやるよ」 そんなとき八乙女が窓に向かってした怪しい笑み。 俺には見えなかった。 「なぁ、ベースもう一回弾いてよ」 「受験勉強は?」 「いいの、帰ったらやるし」 「ひとりで?」 「当たり前だよ」 そうだよ、当たり前だよ。 こんな馬鹿に付き合ってくれる奴なんていない。 「弾いてあげるからさ、一緒に勉強しない?」 俺一人暮らしだしと呟いた八乙女。 …俺は小さく頷いた。
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