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「…八乙女、俺に教えろ。全部」
「任せろよ。何でも教えてやるよ」
そんなとき八乙女が窓に向かってした怪しい笑み。
俺には見えなかった。
「なぁ、ベースもう一回弾いてよ」
「受験勉強は?」
「いいの、帰ったらやるし」
「ひとりで?」
「当たり前だよ」
そうだよ、当たり前だよ。
こんな馬鹿に付き合ってくれる奴なんていない。
「弾いてあげるからさ、一緒に勉強しない?」
俺一人暮らしだしと呟いた八乙女。
…俺は小さく頷いた。
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