丸印

6/9
前へ
/226ページ
次へ
 渡と分かれた球太はリビングに向かう。そこでは静香が、先ほどと同じ場所に収まっていた。 「球ちゃん」  球太の姿を見つけ、静香が声を挙げる。 「リストをもらってきました。それで、このリストの内、今もここにいる人が誰か、教えてもらえませんか?」  球太はそう言って、手帳とペンを差し出す。客人である球太には、今現在、この屋敷にどれだけの人間がいるのか全く知らなかったからだ。その証拠に、先ほど会った渡の存在も知らなかったのだから。
/226ページ

最初のコメントを投稿しよう!

253人が本棚に入れています
本棚に追加