丸印

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「こんな所だと思うけど」  そう言って静香は球太に手帳を返す。 「今ここに泊まっている人は、名前の隣に丸印を付けておいたわ」  手帳の上に丸印が付いているのは三人しかいなかった。 「となると、この三人が容疑者か」  球太は誰に言うともなしに呟く。 「でも、みんないい人達ばかりよ。とても、あんな恐ろしいことをするとは」  静香は首を振るが、自らの言葉で朋香の事を再認識してしまったのか、ソファにくずおれるように倒れてしまう。
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