容疑者

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 次の日の朝、球太は、伊原家の客室で目を覚ます。警察から、この屋敷にとどまるようにとの指示を受けていたためだが、その様な事を言われていなくとも、できれば事件が解決するまで、彼はこの屋敷を離れたくないと考えていた。  ベッドに寝転がり、昨日のリストを眺めながら、球太は考えていた。この三人の中に犯人がいるのだろうか? と。普通に考えるなら、脅迫状を出した人物と伊原朋香を殺害した人物は同一であろうと思えた。脅迫状を出した人物と、殺人を犯した人物の犯行がたまたま同じ日に行われたと考えるのは少し無理があるように思われたからだ。
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