容疑者

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 もし、朋香を亡き者にしたいと考えていた人物が、偶然脅迫状の存在を知り、それを利用して犯行に及んだのだとしたら? 不意にその様な考えが浮かぶ。しかし、球太はそれを首を振って否定した。 「脅迫状の存在を知っていたのは、俺と、静香さん、朋ちゃんの三人だけだ」  独り、そんな呟きを漏らす。脅迫状を出そうというのにその存在を事前に知られるような愚を犯したとは考えにくい以上、脅迫状に便乗した犯行だとは考えにくかった。 「いや」  球太は再びそんな呟きを漏らす。
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