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「ちょっと刑事さんに聞いてみるわ」
静香がそう言って立ち上がろうとするので、
「いえ、俺が行きますよ」
と、静香を押しとどめる。
「ごめんなさい」
静香は不調な様子を隠せず、一度浮かせた腰を再びソファに落ち着ける。
「ねえ、球ちゃん」
部屋を出て行こうとする球太を静香が呼び止める。
「はい?」
「球ちゃんさえよければ、うちの子に、ううん、今はそんな話をする時じゃないわね。忘れて」
「そうですか」
球太はただそう応えると、ゆっくりとした足取りで部屋を後にした。
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