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奥へ行ってしまった湧碕を待つ間、二人には会話は無かった。
静嵐はいつも以上に不機嫌な顔で黙り込んでいる。
それに慣れている霄瓊も、側で大人しくしている。
沈黙はいつもの事で、今更何とも思わない。
静嵐が向けて来る拒絶の態度を変えてもらいたいなんて考えもしない。
霄瓊は明るい外へと目を向けて、返事を待たない呟きを落とす。
「いつまで保つでしょうね……」
いつかこの生活に限界が来る事は、きっと此処に住む誰もが分かっている。
しかし、それでもまだ。
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