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「よう、お待たせ!」
唐突に明るい声が響き渡る。
そちらを見ると、漂う重い空気などものともせずに湧碕が近付いて来た。
「はい、霄瓊ちゃん。これ」
差し出された物を見て、一瞬目を見張る。
湧碕の手に握られているのは、小型の銃だった。
「……本当は、女の子に持たせるような物じゃないんだけど。狩りに出る奴は皆持ってるんだ。外は危険だからさ」
そう語るすまなそうな顔を見返して、霄瓊は両手で銃を受け取った。
「有り難うございます」
初めて手にした銃は、小さくてもずしりと重い。
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