9人が本棚に入れています
本棚に追加
「そ、それではついでに狩りにも行って来ます」
静嵐の不機嫌度数が上がったのを敏感に感じ取った霄瓊は、素早く口を開いた。
「湧碕さんもお疲れでしょう。せめて私達がいる間は休んでいて下さい」
その口調は静かだが、反論を許さない響きがあった。
だから湧碕は謝りたいのか感謝したいのか分からない気持ちのまま、二人を見詰めて言った。
「……気を付けて。ちゃんと帰って来いよな!」
静嵐は返事もせずに、さっさと外に出て行く。
慌てて湧碕に頭を下げ、霄瓊も後を追う。
確固とした足取りの、背の高い後ろ姿を懸命に追い掛けながら問い掛ける。
「いるんですね?静嵐」
最初のコメントを投稿しよう!