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怪鳥と呼ばれている通り、その姿は霄瓊の知る鳥とはかけ離れている。
見上げる程大きな体には羽が無い。
広げられた翼にも羽は一本も生えておらず、代わりに刃のように鋭利な太い針で覆われている。
美しくさえずり空を舞う鳥は、とうに滅んだ。
今残っているのは、獲物を捕らえるのに特化した生物だけなのだ。
「何をしている、早くしろ!」
振り下ろされた針の翼を交わしながら、静嵐が怒鳴る。
しかし霄瓊は身に付けていた銃を掴んで、揺らがない声で言い放った。
「手を出さないで下さい、静嵐」
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