希望の羽

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感情が動かないようにしているから。 封じた心を隠すのには慣れているから。 引き金に掛けた指に力を込める時にも冷静でいられる。 それが相手の命を奪う行為と分かっていても。 鳥の名を持つ異形の生物が、頭を銃で撃ち抜かれた瞬間に。 恨みが込められた目でこちらを見たように思えても。 赤黒い血と体液を散らして、地響きと共に怪鳥が倒れた時も。 感じる痛みは、全て隠して。
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