希望の羽

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※ ※ ※ もう食料が尽きる。 狩りに出て行った大人達は、幾ら待っても帰って来ない。 何かあったのだろうか。 帰って来られない事態が起きたのだろうか。 数年前、まだ子供で外へ出る事を許されていなかった湧碕は、皆の制止を振り切って銃を手に飛び出した。 狩りに行ったのは、腕利きの大人ばかりだ。 彼らが敵わない相手がいるのなら、自分一人助けに行ったところで何にもならない。 しかし、じっとしている事は出来なかった。 彼らが無事でもそうでなくても。 どちらにしても、何かを仕留めて帰らねば皆は飢えてしまう。 何でも良い、何か。 自分でも倒せそうな何かを。
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