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「よし、異常は無し」
建物の周囲を確認し、一人頷く。
まだ、諦める訳には行かない。
荒れ果てた大地、滅亡の未来。
そんな絶望的な状況だとしても、諦める訳には行かない。
諦めてしまえば、そこで終わってしまうのだから。
「こんにちは、湧碕さん」
声を掛けられてそちらを向くと、青空の下を歩いて来る二人が見えた。
一人は鋭い眼差しの背の高い青年で、もう一人は緩やかに波打つ髪を持つ柔らかな雰囲気の少女。
湧碕は笑い、手を上げて応じる。
「よう、静嵐【せいらん】に霄瓊【しょうけい】ちゃん!」
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