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立ち止まり、何も言わずに鋭い目を向けて来る青年が静嵐。
その横で礼儀正しく頭を下げた少女が霄瓊だ。
「お元気そうで、何よりです」
「元気も元気!暗くちゃ何もやってらんないしな!」
霄瓊の言葉に答えてから、相変わらず仏頂面の静嵐に向かって言う。
「お前も少しは俺を見習えよ。折角こんな可愛い娘と一緒にいるんだから、ちょっとは楽しそうにしろって。羨ましいぜ、このこの!」
「…………」
腕を肘で突かれても無言を貫く静嵐を見て、霄瓊はおろおろしている。
この二人が此処へ来る度に、いつも繰り返されるやり取りだ。
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