プロローグ

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「記憶の館には、人々の記憶が眠っている。でも――、その中には様々な理由で変革されたものがあるの」 「変革?」 俺の質問に対し、リベラは用意された答えを読むように。 「例えば、連載物の書籍があったとする。その人気が芳しく無かった時、それは打ち切りとなって強制的な終わりを迎える」 「そりゃあ、売れない物に金を賭ける義理は無いからな」 「そうした記憶の中には、理不尽な終わり方を遂げたものもある」 「打ち切りなんて、そんなもんだろ」 首を切る側も切られる側も、終わり方に構ってなどいられないのだろう。
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