「勇者物語」

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日本の住宅街から洋館を経由して、現在。 ノーヒントの状態で、俺は訳の分からない所にいた。 「俺が本に手を置いて目を閉じた。――その間に何があった?」 確か、リベラが何か呪文のような事を叫んでから、身体が浮き上がったみたいになって、それで――。 「くそ、駄目だ。全然覚えてねぇ」 不確かな過去と現実離れした現在が、俺を徐々に混乱させていく。 「――そうだ、リベラ!」 大声で叫ぶ。 けれど、返事は無かった。
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