「勇者物語」

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「――もしかして、今からそちらに?」 「あ、えーと……まぁ、はい」 取り合えず話を合わせる。 「もし良かったら、一緒に行きませんか?」 男は優しく誘った。 が、こんな怪しい男の口車に乗るのは危険な気がする。 「いえ、結構です」 障らぬ神に祟りなし、といったように俺は拒否した。 「でも、そんな装備で大丈夫ですか?」 貴方の装備こそ大丈夫ですか? ……と言いたいのを堪え、本当に良いですからと背を向けた。
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