「勇者物語」

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「構えるんだヒロシ!」 アランが叫んだ。 「よっしゃあ!」 意気良く声を発した後に俺は、 「後はお願いします」 ――アランの後ろに隠れた。 「え、ちょっと何してんの!?」 俺から離れるアラン。 「俺、非戦闘員だから」 サササ、とアランの背後に回る。 「ナイフをあげたんだから、戦闘に参加してよ」 再び離れるアラン。 「攻撃力5で何が出来るってんだ。遊び人ほどの能力も無いんだぞ!」 再び背中に張り付く。 「何を訳の分からない事言ってるのさ……」 おいてけぼりにされたモンスター達は、悲しげに「ピギィ……」と鳴いていた。
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