「勇者物語」

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「おお、よく来てくれた。伝説の勇者、『エバンス』の息子よ」 「いえ。こちらこそお呼びに預かり、光栄です」 アランは片膝をつき、深く頭を下げた。 俺も見様見真似で頭を下げる。 「して、そなたを呼んだのは他でもない――。遥か東の城に、魔王が現れたという噂が流れた」 「魔王、ですか」 「左様。ワシも気になって兵を送り込んだが、一人として帰ってこなかった。――すると、噂は本当なのだろう」 「つまり、僕を呼んだのは……」 「ああ、そなたに魔王を討伐してもらいたい」
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