「勇者物語」

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ここまで言うのには、勿論理由がある。 恐らく、俺が行かなければこの『記憶』は変わらず、終わりを迎えられない。 俺が帰れるかどうかは、この後の行動で決まってしまうのだ。 だとしたら、俺がやる事はただ一つ。 「俺も、連れていけ」 ――この『記憶』を修正する事だ。 「だけど、死んじゃうかも知れないんだよ!?」 「構うもんかよ」 「魔王の城に入ったら、二度と帰ってこれないかも――」 「それはお前も同じだろ」 「で、でも!」 アランは必死に食い下がる。
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