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そんなアランの態度が気になった。
これは俺の身を心配しているというよりも、何かを恐れているような――。
「僕はもう、誰にも死んで欲しくない……」
気付くと、アランは泣き出していた。
涙を隠すように、顔を伏せて。
「みんな、みんな僕の前から消えていく……。これ以上、誰も失いたくないよ……」
いつものアランを知っている俺にとって、それはあまりにも異様な光景だった。
それほどに、アランは涙の似合わない男だったのだ。
「……場所、変えるか」
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