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ここまではごく一般的な高校に見えるのだが、大きく違う点がある。
……それは中条高校とそれ以外の外の世界が封鎖され、行きき出来ないのだ。
生徒達だけの世界ができ、権力争いで憎しみ合い、恨み合い……そして、殺し合うようになった。
今では、全校生徒がたったの14人になってしまった……。
「ふむふむ……。文はこんな感じでどうだね、助手のハーバード君」
「誰がハーバードだっつーの。……文はいいと思うー」
今の時間は一時限目にあたる。正直、外の世界が見えないから時間の感覚なんてわかりっこないけど。
「ホントにニシゲンは文才あるよねー。あとは馬鹿の塊なのに」
「え、それ酷くない!? 傷ついた……」
状況説明をしよう。今は、俺ニシゲンこと西元羽詩流(にしもとはしる)が趣味のひとつであるパンフを作ってて、それを見ながら隣でボッキーいーとなうの美少女……じゃなくて、少年が佐野神夜(さのかぐや)。別名『ガクヤ』。
「そういやぁさ、ガクヤ」
「ん、なーに?」
「昨日、全校生徒が十四人まで減ったから今日集会やるんだよな?」
「そーだね」
「集会の場所、どこ?」
「体育館ー」
「集会の時に新しいルールが追加されるのか?」
「……多分。それと、正しくは校則」
「そうともいう」
俺らはこんな感じに楽しそうにしてるけど、実は楽しくなくって、お互い、いつ裏切られるのかとか不安だったりもする。
……こいつと殺り合うのだけはごめんだぜ。
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