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「コォラアァァァー!!」
何故か怒鳴られた。
「あの、何か気に食わないことでも?」
そう丁寧語で聞くと彼女は
「アンタ何?人が気持ち良く寝てるってのに!良くもまぁ起こしてくれたわね」
またしても怒鳴られた。
「いや君授業はどうしたのかなー?って思って」
「は?授業?んなもん課題ソッコー終わらせてきたに決まってんでしょ。
そんで特等席で昼寝してたの!」
「んー、それはすまないことをしたな。まぁ昼寝っつってもまだ朝だけどな」
「何か言った!!?」
そう言う彼女からは先程までの儚げなイメージは全くなく、今はプライドが高そうな高飛車女にしか見えない。
「いやなにも言ってないよ、ところで名前は?」
とりあえず機嫌を損ねると面倒臭そうなので俺は素早く話題を変えた。
「朔陽咲羅(さくよう さくら)よ」
朔陽咲羅!確か新入生にして霧ヶ丘高校能力者の5本指にはいる強さと入学式で誰かが噂をしていた。
「俺の名前は……」
そう名乗ろうとした時、咲羅に遮られた。
「知ってるわよ、アンタ有名じゃない。
適性テストビリで無能力者の“ゼロ”でしょ?」
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