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――え…
「ちょっ…離して」
私は彼の手を離そうと必死に抵抗を試みるも、女の力では男の力には及ばない。それでも私は諦めず抵抗をし続けた。急に彼は力を緩め私を抱き寄せて人差し指を口に充てて言った。
彼の顔が目の前に来る。
私の心臓が激しく打ったのがわかった。
彼の顔から笑顔が消え、身の毛がよだつような恐怖を彼の顔から覚えた。
「警察にばれてもいいの?」
彼の低い声が頭に響く。
私は何も言うことができなかった。
もちろん警察にはばれたくない。だからと言ってこの先、もっと奥に進んだら警察に捕まることよりももっと卑劣なことが待ち受けているかもしれない。
彼もこの先このまま進んだら、きっとただでは済まないだろう。
彼は私が黙った隙にまた力強く引っ張り、奥へ奥へと進んで行く。
私もやはり抵抗はしてみるものの、先ほどより大分抵抗する力は弱くなった。
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