運命の日

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一夜 『うーん。まぁ別にいっか…。それより今時、水筒持ち歩いてる奴なんているんだな。すんげぇ真面目。』 笑ってそう言う彼を見るとまた見惚れてしまう。 (カッコいいなぁって私、感心してる場合じゃないじゃん。今笑ってバカにしたよね?水筒はエコだっつーの。親切で声かけたのに、コイツ性格わるっ!!カッコイイのは認めるけど超ムカツク…。) 私 『あのね!!アンタ人が親切に…。』 『いちや。』 私が文句を言おうとすると誰かの声がして、振り返るとこれまた綺麗な女の子。 男の子と同じ様な茶髪でサラサラのストレートヘアを横で1つに束ねていた。 女の子 『もう!酔ったなら言ってよ。はい!!水。』 男の子 『おぉ。セナ、サンキュ。こんなの今まで一回もねぇんだけどなぁ。多分ただの寝不足だし途中下車めんどーじゃん。』 (この2人恋人か…。もう心配ないな。) 私はそこから立ち去ろうと歩き出した。 『おい!!!』 男の子の方が大きな声で呼んだので振り返る。 男の子 『さっきはマジで気分悪くてさ!!心配してくれてありがとな。俺、3年の神崎一夜(かんざきいちや)。また会えたらいいな!!』 そう言ってニッコリ笑う彼を見たら何故だか無償に恥ずかしくなり、足早にその場から立ち去った。
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