会いたい。

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二人で歩いてく中で 会話はなくて 慧くんが機嫌が いい時や 俺のテンションが異様に 高いときは会話は あるんだけど (ってゆーかどちらかが 一方的に喋ってるだけ) 今日はそのどちらにも 当てはまらなかった みたいでほんとに会話がない まあ、彼自身 あまり言葉を好む人じゃ ないから会話がない方が 多いんだけど…… なんか、違う気がした。 今日は機嫌がよくない とか…あ、いや。 機嫌は悪いんだろう けど、そうじゃなくて…… …なんだろう。 ただ不機嫌なんじゃ なくて……もっと、こう ……ああ、だめだ。 わっかんない。 彼は俺にとって 謎が多過ぎる。 「亮くん、」 「…ん?」 「今日は呑みたい日」 「うん?」 「付き合えよ」 「うん」 慧くんが俺を必要と してくれるなら、 俺はなんだって。 ――――…… ―――――……… 「りょぉくん」 お酒は強いはずの 慧くんなのに まあ、飲む量も すごかったけども… それでもそうだとしても こんなに酔うことって 今までになかった 呂律も回ってなくて 頬も赤く色づいてる。 獲物に忍び寄るように 四つん這いでこちらに 向かってくる慧くんは、 …果てしなくえろい。 「ふふふ、りょおくん」 「慧くん…呑み過ぎだよ」 「んなことなあい」 「んなことある、から」 近くまでやってきた 慧くんは潤む瞳で 少し腕を曲げ上目遣いをする …なに、なんなの。 確信犯なの? まさかこの人、 俺以外にもこんなこと してないよね? 「…りょおくん、 めぇそらしたあー」 そりゃ反らしますよ、 反らすに決まってますでしょ こんなっ…、 こんなえっろい慧さん… 直視していられるほど 俺の理性という名の糸は 太くはないんです!  
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