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「…浅葉さんの、ばか」
「…。」
「…臆病者」
「…そうだね」
「弱虫」
ほんとうは、
怖かっただけかもしれない
イチを応援するなんて
いって自分がどうなるかを
知るのが怖くて、
傷つきたくないから、
応援するという名を使って
イチを盾にしていたんだ。
なんて…最低なんだろう
「…ごめん、イチ」
俺、亮ちゃんがすき
何度も何度も心の中で
思っていた言葉
口に出すのはなんだか
難しくて喉がやけに乾いた
…あ、そっか。
はじめてなんだ。
言葉にしていうのは。
「…ばーか」
認めるの遅すぎ
俺待つの嫌いなんだよ？
なんて。
イチ、お前はほんとうに
優しすぎる
「イチ…、ありがと！
もうだいすきー！」
「うるさい、俺は
亮ちゃん一筋なの。
あんたからの愛情はいらない」
きっぱり言い放たれても、
今日は全然傷つかなくて
懲りずに何度も言ってたら
頭を叩かれた。
「へへへ」
「頭叩かれて笑ってるなんて
…気持ち悪い。」
「ふふふ」
がんばれ、俺。
俺はまだ、なにも
がんばってないんだから。
イチがここまで
連れてきくれたんだ。
あとは自分で進もう。
がんばれ、俺
END
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