駅のホーム

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「亮ちゃんさいってー、 大ッ嫌いっ!!!!」 「ばっ…おま、静かに!」 しーっ、と口元に指を 一本立てて焦ってる亮ちゃん すみません、と 周りの人達にペコペコと 頭を下げてる …ふんだ。 「…あのな、浅葉ちゃん」 「うるさい。 亮ちゃんなんか」 嫌いだ ぽそり、と言った俺の 言葉に亮ちゃんは はあ…と深いため息を付いた 「大好きなんだよ」 「…え?」 「だから怖い。」 「…こわい?」 大好きな人が 自分の前から消えるのは 怖いし、絶対いやだ。 なにも望まないから ただ隣にいたい、って 思う人だっているんだよ 「イチが強くないこと、 浅葉ちゃんは知ってるだろ?」 …そりゃあ、 強がりなのはわかってる わかってるけどさ… 「俺やリーダーは 消えたりしないよ?」 「んー…。 ちょっと意味が、ね」 「…亮ちゃん意味わかんない」 「うーん、…あ。 浅葉ちゃんはイチがすき?」 「そりゃもう! だいすきだよ。」 「じゃあもし、 イチが浅葉ちゃんのこと 嫌いって言ったら?」 「えっ……」 「いや、もし! もしだからそんな ショック受けないで!!」 …イチが俺を嫌いだったら そんなこと、 考えたことなかったかも イチとは幼なじみだし ずっと一緒にいたから、 イチの嫌がることは 知ってたし、 喜ぶことだってわかってる だから怒らせることなく 過ごしてきて嫌われる 要素はなかったはず そんなだったから 俺の中では イチは俺を好きでいてくれている と勝手に位置付けていた マイナスの考えなんて 出たことはなかった。  
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