15人が本棚に入れています
本棚に追加
鳥籠
この身を固く縛る鎖は解けぬまま
籠の鳥は飛び立てず
空を見上げるのも心が痛み
歌を奏でる事も出来ずにいた
血の涙を流して初めて
人は自由の価値を知るのだろう
束縛の鎖から
解き放たれる日はいつ
血も罪も涙も果てる事は無く
心をきつく縛る鎖は未だ解けず
籠の鳥は羽ばたけず
仮初めの平和や安らぎは要らない
ただ一つだけの温もりが欲しい
哀しみと孤独から癒される
あの空の高さを求めていた
この鎖を解き放つ
その為に必要なのは力ではない
絶望を知っても願い続けてしまう
どうかこの冷たさを溶かす事の出来る
日だまりのような温もりを
無償の優しさは何の前触れも無く
不意に降り注いだ
この身をきつく縛る鎖が解けて行く
ただ暖かな想いによって
ただそれだけが心も溶かせるのだろう
この大空に傷付いた翼を広げて
羽は微風に触れ癒され軽やかに
籠から飛び立ち青い空を舞う
何より尊き優しさにより……
最初のコメントを投稿しよう!