風声の紡ぎ

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風声の紡ぎ

この声が届いて 頬を撫でてあの風は 消え失せて 失う痛みとぬくもりだけ 残して吹き抜けて 頬を伝う涙溶かして 行くけれど 消えないあの風 もう吹かない風に この想いを届けたいの 伝えたい言葉は ずっと胸に光ってた 心を揺らして消えた 貴方の風は吹かない 静かに優しく沈む 夕日に照らされた 優しく悲しい瞳が 風を呼んだから この胸の嘆きを乗せて 静かに運ぶあの風 風が吹いた時には 貴方の影を捜す 何処までも優しい 貴方の面影だけ 涙を包んで消えた 貴方の風は吹かない いつか風の吹く果てへ 胸に残る優しさの果てへ この声が届いて 遥かな時の果てに 暖かな風に ただ身を委ねたい 声を届けたいから もう一度風を吹かせて 貴方の風を……
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