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人で賑わう繁華街にぽつんと小さな雑貨屋があった。
壁は緑の気味悪い蔦で覆われ、店の外には趣味の悪いアンティーク調の置物がいくつか置かれている。
店の窓にはこれまた気味悪い置物が置かれて、煤けたカーテンでしっかり閉め切られていた。
夜にはネオンで光り輝く繁華街にこれだけ地味で、言葉は悪いが汚らしい店は大変目立ちそうだったが、不思議なことに誰も気にとめない。
むしろ誰にも見えていないかのようだった。
そこにいつのまにか一人の男性が立っている。
古びた戸の前に立つその男性に、通り行く人は誰も気にもとめない。
錆びたノッカーを2度鳴らし、そして…男性は消えた。
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