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バキッ!!ドサッ!!
鈍い音がして道に少年が転がった。ゲホゲホと苦しそうに少年はむせ、えづく。
胃液の混じったものが口をつたって地面に落ちた。
「てめぇっ寝てんじゃねぇよ!」
罵声が飛び瞬間えづいていた少年は横に勢いよく蹴り飛ばされた。
蹴り飛ばした少年はその後も容赦なく馬乗りになり、その顔に拳を殴りつける。
どのくらいたったか…鈍い音が徐々に弱まり、少年は飽きたのか立ち上がった。
「俺にかなうと思ってんじゃねぇよ、死ね!」
少年は顎のあたりを蹴り飛ばし、罵声をあびせながら去って行った。
地面に倒れたままの少年はそれから少しして目を開けた。
開けたといってもそれは開けたうちに入らない。頬のあたりが赤黒く腫れ、顎も腕も腹も背も全てがひどく痛んだ。
らしくねぇ…と少年は思う。
思っただけで口は動かなかった。口だけではなく全身が痛みで動かせる状態ではない。
ちくしょう…とまた心で毒づいた。
その時だった。
『おい、大丈夫か?』
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