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「あ…あの、クリス様、お疲れでしょうから、まずはアフタヌーンティーでも…」
いつもなら、二人きりになりたいと、親や使用人から走って逃げて、お気に入りの中庭の花壇や、お城の秘密の場所でお話するはずなのに。
私はクリス様をみんながいる応接室に案内した。
クリスは、戸惑ったけれど、いつものように、私に向ける眼差しは優しかった。
応接室でお茶のあと、二人きりを避けるべく、みんなと夕食までいたけれど、部屋に帰る時、二人きりになってしまった。
部屋までの移動時間、二分。
沈黙が続く。
「では、おやすみなさい、クリス様」
私は、部屋のドアノブに手をかける。
「アン」
「はっ…はい」
「まだ時間、ありますか?」
「あの…」
「今日はまだ二人きりになってないです。二人きりで話しがしたい…アンと」
「…あ…あの」
「ダメですか?アン」
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