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「何か、変わった事でもありましたか?様子がいつもと違います」
「ごめんなさい…」
「それとも、僕と二人きりになりたくないですか?」
「そんなことありません!私、一ヶ月クリス様に会いたくて、寂しくて…」
「じゃあ、僕の事、嫌いになったわけじゃないんですね?」
「嫌いなんかなるわけありません!だって、クリス様は私の王子様…」
王子様と言って、言葉がつまってしまう。
王子様のクリス様のお嫁さんになれば、私はお姫様になれる。
そう信じていた、ちょっと前までの子供な私。
でも、それは夢物語。
だって、実際の男と女は、そうじゃない。
びっくりするような、私には想像もつかない行為をして、赤ちゃんが生まれる。
13歳の私は、王子様とお姫様の夢物語が、男と女の現実的なものに消されていた。
クリス様も、知ってるんだよね。
赤ちゃんが生まれるにはどうするか。
クリス様は、私の事、国で一番の幸せなお姫様にしてくれると言ったけれど…。でも、なんだかいろんな事が怖い…。
こんな私は、もうお姫様になれないのかな。
ぽろぽろと涙がでる。
「…アン?どうしたのですか?」
「…クリス…様」
さっきから体に感じていた違和感。「クリス様、お腹が痛いです…」
「え…?」
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