許婚

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「僕はクリス。10歳。君は?」 「私はアン。6歳」 「アン…か。アン、素敵な名前ですね。アン、僕のお嫁さんになりますか?」 「お嫁さん?…お兄ちゃまの…お嫁さんに?」 「そうですよ」 「お兄ちゃまのお嫁さんになったら、お姫様になれますか?」 「え?」 「だって、王子様のお相手はお姫様でしょう?」 「ハハハ!そうですね、なれますよ」 「じゃ、なる!私、お姫様になりたいです」 「国で一番幸せなお姫様にしてあげます、アン」 そう言って私の手に優しくキスをした日から、私はずっとずっとクリス様に恋をしていた。
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