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最近、俺は萩原にいいように扱われている気がする。 甘いもの好き、という自分の性癖(?)を上手く利用して、萩原は巧みにデートやら何やら約束してくる。 まずい、これじゃあ、俺が主導権を握れないじゃないか。 そう思うけれど、ついつい甘い蜜へフラフラと飛んでいく蝶のように毎回アイツのもとへと行ってしまうのだった。 「手早く済ませよ、克也達には待ってもらってるんだから」 「じゃあ、手早く」 手を広げて待っていると、萩原の色気たっぷりの顔が近づいてきた。 ――ちゅっ 「うわあっ」 気が付くと、鎖骨の下にキスをされていた。 「な、な、何してんだよっ!」 「何って、マーキングですよ?」 「おまえは犬か。たくっ、こんなんつけてたら皆と風呂入れないじゃねえか」 ブツブツ言っていると、萩原はクスッと笑う声が聞こえた。 「……わざとか?」 「はい♪明日から俺と風呂入りましょうね、せーんぱい」 「入るかあっ!」 .
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