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「斎藤さん、萩原くんいますか?」
「え?」
「いや、うちのマネージャーの一人が萩原くんに一目惚れしてしまったみたいで。確か萩原くんは彼女いなかったですよね?」
確かに彼女はいない。
が、しかし。
「残念だけど、萩原はすきな子いるぞ?」
フフン、と言って断る。
アイツがもてるのは気に食わない。
最近の俺は校内でも校外でも萩原に近づく女は排除していたりする。
「ええ、そうですね。とびっきりかわいくて、猫みたいに気まぐれなひとが」
……え?
慌てて振り返ると、萩原がクスッと笑っていた。
「おまっ、ちゃんと食器の片づけやったのか?一年の仕事だろ?」
「終わりましたよ。で、なんですか?俺のすきなひとの話なんてしちゃって」
長田くんが頭をぽりっとかいた後、「実は……」と話始めた。
「うーん、どうしましょう、せーんぱい」
「お、俺に聞くのか?」
「はい」
ニコニコしながら俺の言葉を待つ、萩原。
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