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「圭太ー、ただいまー」
湯上りホカホカの克也が上機嫌で戻ってきた。
「風呂、最高だったぞ~!露天風呂だったし」
「へ?昨日壊れてて入れなかったよな?」
「ああ、今日直ったみたいだ」
…
…
……前言撤回。やっぱり、キスマークはいらないっ!
「せーんぱい。何怒っているんですか?」
夕飯を食った後、昨日萩原に会った場所へ行く。
すでにアイツはきていて、クスクス笑っている。
「何も。ほら、マカロンラスクくれよ」
「はいはい。ほら、あーん」
条件反射で口を開けてしまう。
サクサクっと噛むと、ちょうどいい甘さが口の中で広がる。
萩原は俺の行動を熟知していて、手には午後の紅茶を持っていた。
「萩原、お茶」
「はい」
ペットボトルの蓋を開けて、ニコニコ笑いながら手渡される。
「はあ、うまかった。じゃあな」
ペットボトルを返して、萩原に背を向けた瞬間だった。
「お風呂入っちゃったんですか?」
萩原に後ろから抱きしめられた。
「先輩、いい香りがする」
クンクンと首筋を嗅がれ、ビクンッと俺の体が反応してしまう。
「……や、やめろよ。皆と同じ石鹸だぞ」
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