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やべーー、気持ちいいーー。
普段は伸ばせない足も悠々と伸ばせるとあって、俺は極楽気分だった。
自然に昔ブラバンで吹いた曲を鼻歌で歌ってしまう。
頭の中ではラッパが鳴り響き、テンションは最高の状態で露天風呂のドアを開ける。
ガラガラガラッ
「あっ」
「え?」
目の前にいたのは、これまたくつろいだ状態でいる長田くんがいた。
「ははっ。斎藤さんも結構男らしいですね」
「う、うるせえ」
タオルも巻かないでドアを開けてしまい、俺は体を隠すように慌ててお湯に体を沈めた。
「お、長田くんはなんでこんな時間に入ってるんだ?」
「それはですね。斎藤さんと同じ理由かもしれませんね」
ニコッと微笑まれてもよくわからない。
首を傾げると、長田くんは俺の鎖骨を指差した。
「俺もついているので、からかわれるの避けるために皆とは違う時間帯で入るんですよ」
「ずいぶん、情熱的な彼女だな」
「ははっ、そうですね」
王子様な顔をして、ゆる~い表情しちゃって。
さぞかし、美人な彼女が……。
っておいっ!長田くんの恋人って遥ちゃんじゃねーかよっ!
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