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「そ、そんな顔近付けるなよ」
「あ、すみません。近づかないと見えないんですよ」
顔に息がかかるか、かからないかの接近。
逃げようとしたが、馬鹿力を発揮され逃げられない。
「明日、夜遅くに入りましょう。すいていた方がいいから」
「い、いや……、萩原が入る前に俺も入ったけど……長田くんくらいしかいなかったぞ」
俺の言葉に、萩原は無表情になった。
そして両肩を捕まれ、ぐわんぐわんと揺すられた。
「貴方ってひとは~!!」
「は?な、なんだよっ」
「なんで俺以外と風呂に入るんですか~!」
本気で悔しがっているのが、すごく気持ち悪い。
目とかマジになってるし。
「なんだよ、たまたまだよ、たまたま」
「……長田くん、先輩の裸姿見たんですよね」
「ま、まあな。だって風呂だぞ?」
萩原は俺を見ると、はあっと溜息を吐いた。
「恋人の裸をみられて平気な男なんていませんよ」
「あ?恋人じゃねえだろ」
そう言い返すと、萩原は少し潤んだ瞳で俺をみてきた。
「な、なんだよ。気持ち悪いな」
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