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しばらくすると、先輩はゆっくり体を起こしてキョロキョロした。
「あ、起きました?」
ビクッと震える体。
寝呆けた顔で、俺の方を見る。
……やばい、かわいい……。
目をこすりながら、ぼーっと俺を見た。
「おはようございます、先輩」
「……おはよ……」
寝起きがあまりよくないせいか、かなり声が低い。
「……朝?」
「いえ、夜ですよ。今、宴会中です」
先輩はコクリと頷くと、横になった。
「せ、先輩っ!?」
「うるせーよ。萩原。黙ってろ」
予想外なことに、先輩は俺の膝に頭をのけて再び目を閉じた。
……う、嬉しいけれど……俺、やばいかも。
困惑していると先輩の手が俺の手をぎゅっと掴んだ。
「枕は黙ってろ」
そう言って、またスヤスヤと眠り始めた。
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