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普段の態度からは想像できない甘えたぶりに俺は胸の高鳴りを抑えることができなかった。
……不意打ちはやばいですよ。
目線を落とせば、先輩はスヤスヤ眠っている。
俺はそっと髪を撫でながら、幸せを噛み締めた。
「……圭太さん、はやく俺のモノになって下さい。もう……俺、限界がきそうです」
――――
そのままうたた寝をしてしまったらしい。
目を覚ますと、大きな茶色がかった瞳が俺を凝視していた。
「せ、先輩?」
先輩は俺の顔を見ると、みるみる顔を赤らめた。
「べ、別に見惚れていたわけじゃねえぞ」
……いや、わかりますけれど。
なんでそんなに動揺しているんですか。
「宴会、行きますか?」
時計を見ると、予定だと残り30分で終わるけれど。
お菓子もたくさんあるから(先輩が食べると思って、今回は多めにしてもらった)、頷くと思った。
「は、萩原……風呂は?」
ギュッと俺のTシャツを引っ張り、顔を覗いてくる。
「え……あ、はい。入りますよ。でも、宴会……」
「いい。どうせ今から行ってもあいつら猥談の話しかしねえもん」
そう言って、先輩は干していたタオルを取りに行った。
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